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Proms: テミルカーノフ & サンクトペテルブルグフィル。味わい深いラフマニノフ協奏曲とシェエラザード

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プロムス 70。9月7日。ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン
指揮:ユーリ・テミルカーノフ指揮、ピアノ独奏:ニコライ・ルガンスキー
サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団
1) チャイコフスキー:”フランチェスカ・ダ・リミニ”
2) ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
3) リムスキー-コルサコフ:”シェエラザード”

最終日のお祭り騒ぎで有名なの夏の風物詩、プロムス。約2ヶ月近くの間、英国内外から著名音楽家が訪れるロンドンの音楽フェスティバルです。この日は、テミルカーノフ指揮のサンクトペテルブルグフィルでオールロシアプログラム。ムラヴィンスキー&レニングラードフィル時代パワフルで重量級音楽の伝統が果たしてどう引き継がれているのか興味津々。1曲目のフランシェスカ・ダ・リミニは、消化不良気味。アインザッツが合わないところが多々あります。しかしところどこで美しく温かいサウンドが聴かれ、次に期待させます。
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一転ラフマニノフは、ピアノの重厚な和音とオケの麗しい主題でダイナミックに始まり印象的。ルガンスキー、ほんと上手いです。全ての音をバランスよくクリアに鳴らすとともに瑞々しいリリシズムが素晴らしい。そして、サポートするオケのサウンドのなんとまろやかなことか。良い意味で期待を裏切られました。レニングラードフィル時代の剛なイメージとは無縁です。一方、重々しくないため北の暗さをことさら主張することもありませんが、テミルカーノフの絶妙のさばきにより音楽の伸縮が生まれ、そこから美しいサウンドのなかに陰りが垣間見え、それがこのオケでなければ出せない北の大地の雰囲気を醸し出ます。ラフマニノフ、とことん楽しめました。
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そして、シェエラザード。こちらも、音量で圧倒するのでなく外見的派手さに頼るのでもなく、まろやかなサウンドを土台にした陰影に富んだ滋味豊かな音楽。しかし、弦楽器が独特の美音で、クラリネット、フルート、ホルン、トロンボーン等のソロも秀逸で、色彩豊かです。それゆえ、リムスキー-コルサコフ独特のオーケストレーションの巧みさが浮き彫りになり、こちらの面でも楽しめました。ただvnソロの高音の音程がぶら下がったのは残念。

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テミルカーノフは、細かい拍や指示は出さず、ポイントで音楽を動かし、オケのサウンドを生かして味わい深い音楽を紡ぎ出しています。一方、派手に腕を大きく振ったり、突然手をひらひらしたりして、曲想を体で表現。このような動きは他の指揮者では見たことがなく、まるで、映画「マエストロ」の西田敏行みたいでした(笑)。

アンコールでは、チャイコフスキーのくるみ割人形の終幕の曲を演奏。これまたムード満点で、なんとも得した気分でした

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