過去の演奏会 内田光子&ロンドン響、モーツァルトpf協奏曲17番

このブログを始めたのが今年の2月。それ以前の演奏会も折に触れ振り返ってみたいと思います。今日は2013年9月19日のロンドン交響楽団のコンサート。指揮ロビン・ティチアッティ、pf 内田光子。ロンドン、バービカンホール。

1) モーツァルト “ピアノのためのロンド K511”
2) モーツァルト ”ピアノ協奏曲第17番 K453”
3) Matthew Kaner ”The Caligrapher's Manusript”
4) ドヴォルザーク “交響曲第5番”

なんといってもモーツァルトのピアノ協奏曲が記憶に残るような名演でした。終わったあと思わず涙が出るほど。曲が終わったあと一緒に行った妻の方を見たら、彼女も目頭を押さえていました。

内田光子さんのピアノは粒立ちが良く、fffもpppもクリアに美しく情感たっぷりに響きます。そしてオーケストラと一体となって、モーツァルトの世界を描きます。さらに、出てくる音楽のなんと生き生きしていることか。30年ほど前のテイト&イギリス室内管との全集では、なんとなく日本人的な丁寧で控えめな感じをしていましたが、この日の演奏は、内田さんのpfも、ロンドン響の面々も熱いこと、熱いこと!お互いに火花がバチバチ、丁々発止のやり取りを繰り広げ、モーツァルトの音楽が自発的に即興的に沸き上がってくるような、作曲者本人が目の前で飛び跳ねて遊び転げているような演奏でした。第1楽章の愉悦性、第2楽章のしんみりした陽と陰の織り成す情感、第3楽章のスリリングなかけあい、K453てこんなに面白い曲だったけ、と再認識させれらました。この演奏を聴いたら、17番も20番以降の名曲と比べても決して遜色ない名曲です。

内田さんはロンドンのファンに大人気。絶大な拍手を浴びていました。またロンドン響からも絶大な信頼を得ていて、ロンドンはまさに彼女の家の庭なのでしょうね。

ロンドン交響楽団も素晴らしいです。最近聞いたコンセルトヘボウ管やクリーヴランド管のように美しいとまでは言えないのですが、どの楽器もくっきり、一人一人がどんな音を出しているのかわかるほど見通しが良いのです。自己主張の強いオケとも言えます。各奏者が伸び伸びと自由に音楽を発している、その自発性と絡みが実に面白い。まさに、ロック発祥の地ロンドンにふさわしいパンクなオーケストラと言えます。一方この日のように、その特徴を発揮しながら指揮者がきちんとコントロールしたときは、いろんな楽器のそれぞれの要素が複雑に絡み合って楽曲が構成されていることが、あたかも目の前でオーケストラスコアを読んでいるかのように、明瞭にわかります。本日のような、ピアニストとオケが互いに熱いやり取りをするような演奏にはぴったり。クリーヴランド管の精緻でピュアで室内楽的な音樂作りとは真逆のオーケストラです。この日は、そのおかげで、モーツァルトのオーケストレーションがとても革新的であったこともよくわかりました。

指揮者のロビン・ティチアッティは、昨年亡くなったコリン・ディヴィスの代役。ロンドン響をよく鳴らしてその良さを十分に引き出し、しかもパンク過ぎて破綻しない様ツボを抑えてオケをリードしていました。日頃は聞く機会のないドヴォルザークの5番も面白く聴かせてくれました。まだ若いのですが、グラインドボーン音楽祭にも登場するほど。将来が楽しみです。

なお、同じピアノ協奏曲を、ハイティンク、ピリス、ロンドン響の組み合わせで昨年2月に聞きましたが、こちらはちっとも面白くなかった。ピアノソロが全くぱっとせず、K453ってこんなに退屈な曲だったのかと思ったほど。この対照は改めて内田光子さんの偉大さを認識させてくれました。


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by amati701 | 2014-09-29 04:27 | 音楽