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少し前のことだが、1月21日に行ったロンドン交響楽団(LSO)の演奏会。指揮は古楽器の大御所ガーディナー。この10年間、レコード芸術は読んでなかったし、新譜CDも買ってなかったので、ガーディナーがモダンオケを振るとはなどとは思っていなかった。私の中では、彼にとっての最もモダンなアプローチはオルケストル・レヴォリュショネール・エ・ロマンティークである。ということで、ガーディナーもとうとう丸くなったのか、などど勝手に思い込み行ってきた。

メインはメンデルスゾーンの交響曲第3番“スコットランド”。 ガーディナーさん、やっぱりやってくれました。ヴァイオリン、ヴィオラ全員立ったままでの演奏。まずはびっくりさせられた。19世紀初頭はこうだったのだろうか?みんな楽しそうだが、幾分自由を持て余し気味でもある。そして、極力ヴィヴラートを抑えた弦、次の音の前に一瞬の間を設けかつ後押しするようなテヌートなど、古楽奏法を随分もち込んでおり、普段とは異なるロンドン交響楽団の新鮮な色合いを醸し出していたのは確かである。しかしオケは、楽しみながらもちょっと窮屈そう。古楽奏法で音がシェイプアップし、各パートの動きがわかりやすくなるのではと期待したのだが、逆に中途半端にごちゃごちゃなったよう。管楽器も音量を無理に抑えているようで、Clの2楽章の見せ場のソロではリード音が耳につく。普段は皆さんそれぞれ自由闊達に演奏しながらも、見事に統制が取れていて、まるでスコアを眺めているように、あらゆるパートの動きの意図が聞き取れるのだが。。。以前に、ハイティンクやゲルギエフ指揮下で聞いたLSOの驚くべき見通しの良さはこの日は7割程度というところ(これらについてはまたレポートしたい)。音楽そのものはこの曲の陰の部分を丁寧に描くことにより、普段気づかれにくいメンデルスゾーンの音楽の深みを表現していて私にとっても新しい発見だった。

その他に「フィンガルの洞窟(英語名:The Hebrides)」とシューマンのpf協奏曲(pf:マリア・ジョアオ・ピリス)。ピリスの生演奏は2回目だが、今回もがっかりした。左手はオケの音に埋もれ何を弾いているかよくわからず、右手のメロディーラインしかはっきり聞こえない。オケとの呼吸はあっていないし、音楽の生命感はないし、シューマンの協奏曲ってこんなに退屈だったのかと思われるほど。デュメイとの数々のヴァイオリンとピアノのためのソナタなど、CDで聞く限り大好きなピアニストなのだが、その片鱗はほとんど聞くことができない。以前聞いたモーツァルトの協奏曲17番でもそうだった(この時はハイティンク指揮)。昨年9月に聞いた内田光子&ロンドン響の超エクセレントなコンチェルトとは雲泥の差である。というわけで、この日は満足度70点で終わった演奏会だった。

ちなみに、ピリス、ロンドン交響楽団の組み合わせ(ガーディナー指揮、同じプログラム)で、東アジアを演奏旅行しているようだが残念ながら今年は日本にはいかないようである。

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by amati701 | 2014-02-23 20:59 | 音楽
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2014年2月5日(水)at バービカンホール
指揮:Michael Francis、ロンドン交響楽団(LSO)、Vn:Anne-Sophie Mutter
1) Panufnik: "Sinfonia Sacra"
2) Dvorak: 交響曲第9番 "新世界”
3) Panufnik: "Lullaby"
4) Dvorak: ヴァイオリン協奏曲

Vn協奏曲がトリとなったが、これはムターの到着が遅れたための急遽の順番変更。この日のロンドンは地下鉄ストで、その余波を受けてムターの車が遅れたのだろうか?

目玉はもちろんムター演奏のVn協奏曲。いやぁー、素晴らしかった。若いころから我々を魅了した艶やかな音色と技巧はさらに磨きがかかり、完璧そのもの。消え入るようなpppにおいては美音で広いホールの空間を支配し、fffのオケと重なる時には堂々たる音で立ち振る舞う。ポルタメントもアゴーギクも自由自在に操りながら、しかしあくまでも自然で、音楽の流れの中でそれらの必然性すら感じさせる。そして完全に自分のもとにコントロールしながらも、オケと向き合い、協調しながら、楽曲をリードして作っていく。オケもムターに触発されて他の曲とはまるで異なる生き生きとした音を奏でていた。そして、生まれてくる音楽は、艶やかで華麗かつ壮大ながら、節度ありバランスもとれていて安定感もあり、まさに王道。ムターの人間としての謙虚さも感じられる、そんな演奏だった。3楽章の再現部の前の見せ場ではノリノリになりすぎ、オケの伴奏がちょっとスリリングになったのはご愛嬌というところでだろう。

アンコールには、昨年亡くなったコリン・ディヴィスを偲びバッハの無伴奏ソナタを演奏。一段と美しい音色で、故人に対する敬愛の念をひしひしと感じさせる、心に染み入るバッハだった。

新世界交響曲は悪くはないといったところだが、テンポが早すぎ、弦はあわせようと一生懸命だったのに、管はもう少しゆったり吹きたいという感じで、噛み合っていなかったし、その結果統一感に欠いていた。以前のコンサートで何度も味わったLSOの凄さはこの曲では影を潜めたいうところである。過去のコンサートで感激したLSOの”見通しの良さ”もほとんど感じられなかった。このLSOの特徴については別途触れたい。Panufunikの2曲は初めて聴く曲。Lallabyでは寝床に蚊が出没しているような音がして面白かったです。

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by amati701 | 2014-02-09 03:23 | 音楽
まさかこの歳でと思いつつ会社からロンドン勤務を仰せつかり、英国に渡ってから早1年半経った。日本にいる時は、仕事に忙殺され、週末は家庭や子供たちの行事に追われ、音楽にどっぷり浸ることを長らく忘れていたのだが、この地に来てふと気づいた。ロンドンは世界中の音楽の中心地ではないか。昔からロンドン5大オケなどと音楽雑誌では毎年のように論じられていたっけ。試しにWebサイトで探すと毎夜のようにコンサートがある。しかも安い!

というわけで、ロンドン交響楽団(LSO)の演奏会を中心コンサートに少しづつ足を運ぶようになった。生の音楽の面白さを再認識するとともに、LSOのすごさ(素晴らしさ)を発見し、感銘しているところである。

今まで聞いたロンドンで行ったコンサートでのアーティストは、ビシュコフ、佐渡裕、ハイティンク、デュトワ、シャイー、ゲルギエフ、ガーディナー、ピリス、内田光子、カヴァコス等。素晴らしい演奏に感動したことも多かったし、知名度の割には首をひねるような演奏もあった。いつまでロンドン勤務かわからないが、今後も足繁く通いたい。そして、皆さんにロンドンの音楽事情とともに私の味わった感動を少しでもお伝えできたらと思う。

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by amati701 | 2014-02-08 23:19 | 音楽