カテゴリ:サクソフォーン( 2 )


ビュッフェ・クランポン、ソプラノサクソフォーンS1、もう製造されていない製品ですが、知る人ぞ知る伝説の楽器。スペインの中古楽器のサイトで発見して、格安で入手しました。1981年製、製造番号32xxx。キーに錆は多々ありますが、管体の状態は上々です。この時代ですから、もちろんストレート管。前パリ音楽院教授のダニエル・デフィエが、カラヤン=ベルリン・フィルやバーンスタイン=フランス国立管の演奏するボレロにおいて、信じられないほど美しい音で吹いているのをご存知の方も多いでしょう。彼の楽器がこのクランポンです。
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中古で出回っているソプラノのS1は、S1とは名ばかりで旧モデルのSuper Dynactionに刻印だけS1としたもの(と私は思う)がほとんどですが、今回入手したのはいわゆるS1メカを搭載した正真正銘のS1です。ソプラノのS1 Prestigeとほぼ同じメカニズムと思われます。

では、S1にユニークなメカの紹介。まずは左手小指テーブル。
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Super Dynactionタイプの旧式でなく、連動式でちゃんとB♭キーに切れ込みが入っていますね。

次はパレット式でローラーレスの右手小指キー。キーの向きが変えられるようになっています。
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ちなみに、アルトもクランポンのS1およびS1 prestigeを使っていますが、アルトの右手小指キーの向きは、ソプラノと45°ほど異なるように設定しています(下写真)。このクランポン独自の右手小指キーはアルトの場合この微妙な角度により絶大な威力を発揮します。ソプラノは、以外とアルトより指間隔が広く、そのためクランポン方式の便利さをまだ実感できていません。
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それから2枚前の写真からお分かりいただけるように、prestigeのソプラノと同じようにHigh Gが装備されています。ヤナギサワがHigh Gを装備したのは1990年代でしょうか?それよりも10年も早く搭載したのですね。High Gのトーンホールは以下のようになっています。
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右手サムフックはS1独自の可動方式。賛否両論あるようですが、少なくとも私には使いやすいです。角度を変えても、親指の位置が遠ざかったり近づいたりしないのです。
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オクターブキーのメカニズムは、同じS1でもアルトとソプラノでは異なります。
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アルトではオクターブキーの回転軸が管体と平行です。つまりキーと親指の第1関節から先とが、同じ方向に動きます。しかしS1ソプラノではオクターブキーの回転軸が管体と直角です。すなわち親指の動きとも直角であり、そのため違和感があります。面白いことにアルトではS1とSuper Dynationとで同じメカのようですが、ソプラノではS1(およびS1 Prestige)とSuper Dynactionでは異なっているようです。
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ソプラノは学生時代にアンサンブル大会に出るため、よそから借りてきて数度吹いたきり。それも30年以上前。S1ソプラノの購入にあたりアルトのセッティングと類似のものを選び、とりあえずマウスピースにバンドレンV5 S15 、リードにD'AddarioのReserve 3番を購入しました。とてもふくよかで管と管内の空気がしっとりと共鳴するクランポンらしい音を奏でてくれます。これから先が楽しみです。

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いろいろとロンドンの演奏会等の感想を書いていますが、私はアマチュアのサクソフォーン吹きでもあります。ロンドンでアマチュアの吹奏楽団に入っています。中学生の時に聞いたカラヤン=ベルリン・フィルの「アルルの女」や「展覧会の絵」でのアルトサクソフォーンの美しい音を初めて聞いた時の衝撃は忘れられません。

そのサクソフォーンの主は、当時パリ音楽院の教授だったダニエル・デファイエ。カラヤンがベルリンフィルでサクソフォーンを使うときは、必ずデファイエを呼んでいたというのは有名な話。デファイエの演奏はCD、Youtubeでいくつか聴け、すでによそのブログで多く紹介されていますが、最近ジャン・リヴィエの「トランペットアルトサクソフォーンのための協奏曲」の”デファイエの録音”なるものがYoutubeにアップされました。トランペットはロジェ・デルモットらしい。

音源の出処がはっきりしないので、イマイチ不安ですが、やや軽く開ているけど引き締まり透明で純度が高く美しい音、歯切れのいいリズム、広大なフレージング、音の本質に一体化した特徴的なヴィヴラート、やはりデファイエですよね?


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