ハイティンク、ロンドン響の第九。真っ向勝負の堂々たる名演!

ハイティンク指揮、ロンドン交響楽団演奏会、ベートーヴェンプログラム
1) 序曲:“レオノーレ”第2番
2) “静かな海と楽しい航海”
3) 交響曲第9番
Erin Wall (S), Karen Cargill (Ms), Steve Davislim (T), Hanno Muller-Brachmann (Bs)
Barbicam Hall, London

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ハイティンクとロンドン響の第九に感動です。ハイティンクは86才になりますが、丁寧な棒さばきが冴えていて全く年を感じさせません。音楽は奇をてらわず正攻法。誠実に音楽に向き合いベートーヴェンの世界を引き出します。静けさに始まる緊張の第1楽章、第2楽章の舞踏におけるビートの効いた躍動感、美しく澄み渡る静かで平和な第3楽章、そして歓喜の第4楽章。大建造物のような音楽の構築性と緊張感は半端ではなく、感動の連続です。このコンビのベートーヴェンの実演は、2年半前の第七番に続き2回目ですが、その時も圧倒的な名演。ほんとにベートーヴェンと相性が良いコンビです。

ロンドン響の音は硬派と言うか、音がゴリゴリして固くややもすると無機質的で、ブラームスなどは野暮ったくなりがちです。しかし、ベートーヴェンになるとイキイキし、無機質さも透明感に変わります。さらに、各パートの音が立ち、見通しの良さが際立って、まるでオーケストラスコアを眺めてるかのように各楽器のそれぞれの動きが眼前に見えてきます。ベートーヴェンのオーケストレーションが、多彩で実は革新的なことがよくわり、ほんとに楽しめました。

Vnは対向配置。ところで小話。いつも素晴らしいClのソロを聴かせてくれるアンドリュー・マリナーは指揮者のネヴィル・マリナーの息子ですが、必ず楽器をアタッシュケースのようなケースに納めてステージに現れ、座席について楽器を組み立てます。今のところ、この人以外こういうことをするのは見たことがありません。


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